羞人たち


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彩 序章 3
2011/07/13 20:25

 膝上20センチのスカートで放送を行なうように、という犯人からの命令を無視してしまった彩。その夜、彼女は自宅のマンションに帰ると、パソコンを開いて自分の裸の動画が公開されていないか確認した。

 しかし、無限に広がるネット上の世界。もし公開されているとして、果たしてどこにその動画があるのだろうか?

 彩はとりあえず自分の名前で検索してみた。彩はアナウンサーになって以来、一度も自分の名前で検索してみたことがなかったが、しかし今日、このときはそうする必要があった。犯人が動画を公開したのか、確認する必要があった。

 意外、というか、まあやはり、自分に関して書かれた記事が複数存在していた。『伊藤彩セクシー生足画像』というものや『伊藤彩の可愛すぎる卒業アルバム顔写真』というものなど……。また、2ちゃんねるの掲示板に自分のスレッドが立っていた。最終の書き込みは5分前。彩はおそるおそる覗いて見た。動画を公開するとすれば、ここだろうと思った。

 話題は今夜の彩の突然短くなったスカートについてが中心だった。読んでいくと、やはり露骨な書き込みが目立つ。

「あのミニスカにチ〇ポぶち込みて〜」
「パンツ見えそうだったよな。誰か動画UPしてくれ」
「意外と露出狂の気があるんじゃないか? ああいう真面目そうな女に限って変態ドスケベヤリマンだからな」
「彩のマ〇コ、略してアヤマン」
「変態ドスケベ彩ちゃ〜ん。明日はもっと短いスカート穿いて、パンチラサービスしてちょ〜だい!」
「今日彩のミニスカで2回抜いた俺は勝ち組」
「もうニュースなんかどうでもいいから彩の太ももだけ映しててほしい」

 読みながら彩の顔はどんどん真っ赤になっていった。だいたい予想はしていたが、これほど露骨だとは思わなかった。アナウンサーとして真面目にニュースを伝えようとしているのに、いやらしい目線でしか見られていないなんて……。彩は途中で読むのをやめた。動画の所在はわからなかった。

 と、パソコンに不審なメールがあったのはそのときだった。件名『例の動画について』となっていた。間違いなく犯人からだった。

 しかし本文に文章はなく、一つのURLが、貼り付けてあるだけだった。彩はそのURLをクリックした。

現われたのは有名な動画共有サイトだった。ページには、一つの動画が再生を待っていた。タイトルは『彩の秘密』だった。

 彩は気を失う寸前だった。では予告どおり、犯人は、動画を公開したのだろうか……? 彩は動画の再生ボタンをクリックした。

(やっぱりそうだ……)

一瞬ですべてがわかった。それは紛れもないあの写真の動画だった。フィットネスクラブの脱衣所で彩が全裸でいるところを、真正面から撮影した、写真の元の映像だった。

 しかし、不幸中の幸いといえるだろうか、いま見るこの動画には、女性の(つまり彩の)顔のところに薄いぼかしが施されていて、また動画自体の画質も良くないので、これを見た人間が女子アナの伊藤彩のことを思い浮かべるかどうか、それはわからなかった。しかし、動画タイトルの『彩』という名前や、髪型や全体の雰囲気で、自分を連想されないとも限らなかった。ぼかしの向こうの顔立ちも、彩をよく知る人間にはわかりそうだった。

 動画を見ながら彩の頭の中は真っ白になっていった。とても最後まで見ていられなかった。

 すると、そのタイミングを見計らったように、先程と同じ相手からメールがあった。

 メールにはこう書かれていた。

『動画を削除して欲しかったら、ちゃんと命令には従うこと。もし明日も命令を無視するようなら、今度はぼかし無しの高画質の動画をUPし、そのアドレスを2chの掲示板に貼り付ける。いいかい、膝上20センチだよ。今夜のは9センチしかなかったね。だからあと11センチ短いスカートじゃなきゃいけないよ。1センチのごまかしも許さないからね。

 あとそれから、今日命令に従わなかった罰として、明日の放送は、椅子に座っている間、ヒザを常にこぶし一つ分開いていること。もちろん手で押さえたり、ハンカチや原稿で隠したりするのは厳禁。一度でもそんなことしたら、その瞬間に動画を公開する。でも、だからといって、放送中椅子に座らないのは無しだよ。ちゃんといつも通りの形で番組を進めなくちゃダメだよ。いい、わかったね?

またもし警察に話して僕を逮捕しようと考えてるんなら、それはやめた方がいいよ。僕には同じ動画を持ってる仲間がいるから、そんなことしようものなら、即座にそいつが、僕に代わって動画を公開するだろうからね。

 あ、そうそう、パンティの色は白でお願いしま〜す! ストッキングは穿かずに、生足でね。でも、どうしても白が嫌だったら、ノーパンでも全然構わないよ。変態ドスケベヤリマンの彩ちゃんのことだから、たぶんそっちの方がいいよね。

 じゃあ、明日の放送、楽しみに待ってるよ〜』

 読み終わった彩の表情がどんなだったか、もはや言うまでもない。

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