羞人たち


記事の内容

前へ | 次へ

優香 第十三章 8
2011/10/02 16:17

 謝罪を終えると、優香は朝礼台を降り、ハチマキを解いてもらおうと、田崎のもとへ近づいた。

「あの……謝罪したので、ハチマキ……」
「あ? ハチマキ? そんなもん後でいいだろ! 今はまだ閉会式の最中だ。終わるまで待っていなさい」

 こうして謝罪を終えた後も、優香は後ろ手に両手を縛られた状態でいなければならなかった。どこへも行き場がないので田崎の横にぽつんと立ち、全校生徒に胸を晒しながら、式の終わるのを待っていた。

「……では、以上で閉会式を終わります。皆さん今日は長い間お疲れ様でした」

 それでようやく解散になり、優香は田崎にハチマキを(不自然にお尻を触られながら、ゆっくり時間を掛けられて)外してもらった。

 優香は手が自由になると、すぐに丸出しの胸を隠し、続いて股間のローターを取り出すために、トイレの個室へ駆け込んだ。

 教室に戻ると、そこではクラスの男子が着替えを始めていた。女子はすでにみな更衣室へ行っていて一人もいなかった。手で胸を隠しているとはいえ、依然全裸であることに変わりなかった優香は、顔を真っ赤にしながら、トランクス姿の男子が着替えをしている教室に入ろうとした。

 ところが、教室に一歩足を踏み入れたところで、男子の一人が大声で叫んだ。

「入ってくんなよ! まだ俺たち着替え中だぞ」
「ご、ごめんなさい……でもカバンを取るだけだから……」
「ダメだよ、早く出てけ! 着替えが終わるまで外で待ってろ」

 そう言うとその男子は、パンツ一丁の姿で優香のもとへつかつかと歩み寄る。優香は恐怖を抱いてとっさに後ろへ下がり、廊下に出たが、その瞬間、ドアをバタンと閉められてしまった。

「着替えが終わったら呼ぶからそれまで待ってろ!」

 教室の中からそう叫ぶ男子の声が聞こえた。

 再び教室に入っていく勇気は優香にはなかった。だから制服を取ることもできず、裸で廊下で待っているしかなかった。

 と、そうしているうちに着替えを終えた制服姿のクラスの女子が教室に戻ってきた。その女子たちの制服姿を見ると、優香は余計に全裸の自分が恥ずかしくなる。しかし依然として教室の中から声が掛からない。

「おそ〜い! 男子まだ〜?」

 と女子の一人がそう叫ぶ。

「ああ、もう別に大丈夫だぞ〜!」

 それを聞くと女子たちは教室に入っていく。優香も一番最後に教室に入り、自分の席のところへ行くと、カバンから制服を取り出す。そしてすでに着替えを終えた制服姿のクラスメートたちの中で、一人全裸で着替え、というより裸に制服を着た。下着は処分されてしまったから、制服の下はノーパンノーブラだったし、優香の制服のスカートは、股下5センチの超ミニだったから普通に立っているだけでお尻が見えてしまったが、それでも数時間ぶりに着る衣服の感触は、優香の心を温かくした。イスに座ると、ノーパンのお尻は後ろから丸見えだった。だがそれでも、とにかくスカートを穿いているという意識が、優香を安心させたのだった。

 席に着くと千夏が優香のもとへやってきた。

 千夏はみんなに聞こえるほどの大声で、

「どうして体操着屋上に置いて出てきちゃったの?」「え……? 体操着は気付いたらなくなって……」
「ほら、屋上から持ってきてあげたよ。もうとっくに乾いてたみたいだけど、優香ちゃんには別に関係なかったみたいだね」

 そう言うと千夏は体操着を優香に手渡した。それは紛れもない昼に屋上から消えたあのTシャツとブルマーだった。

 クラスメートたちのあきれたような笑い声。そうか屋上で露出開始したのかという話し声……。優香は顔を真っ赤にしながら、千夏にありがとうと言った。もう何がどうなっているのかさっぱりわからなくなっていた。

 とうとう学校中に全裸を晒してしまった長い長い体育祭はこうして終わった。優香はその日スカートの下にブルマーを穿いて帰宅した。

カテゴリ:優香

前へ | 次へ

コメントを見る(28)
コメントを書く
トラックバック(0)
BlogTOP
このユーザーのホーム

ログイン



Powered By FC2ブログ