羞人たち


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優香 第四章 1
2009/05/30 04:16

 この日からもう学校の中に優香の味方は一人もいなくなった。翌朝、教室に入っておそるおそる香織に挨拶すると、香織はちらと冷たい視線で睨み付けただけで、無視して新たに加わった女子のグループの方へ行ってしまった。

 もう誰も優香に話し掛けようとしなかった。昨日の非常階段でのことは、しかしまだ伝わっていないらしかった。それは香織が固く口止めして、あの二人の男子に、ばらしたらあんたたちがオナニーしてたことを言うよと脅したからだった。

 しかし香織が口止めしたのは優香を守ろうとしてではなかった。裏切られた友情は、以前の絆が強かったぶん、いまやそれと同じ強さの憎しみに変わったのだった。

 昼休み、優香が教室の隅で一人で弁当を食べていると、そこへ香織がやってきて言った。

「今日、放課後部室で緊急ミーティングがあるから、絶対に来るんだよ」
「うん、必ず行く…でもなに、こんな時期に。試合はまだだいぶ先だし、合宿だって…」

 しかし香織は何も答えず無視して向こうへ行ってしまった。

――――――――――――――――――――――――

 放課後、女子テニス部の部室には、緊急ミーティングのために一年から三年まですべての部員が集められた。しかしそのうちの誰一人として、何が行われるかを知っている者はいなかった。

 やがてキャプテンの優香を含めた部員全員が集まると、副キャプテンの香織が前に出て、口を開いた。

「今日集まってもらったのは緊急にみんなで話し合わなければならないことがあるからです。というのも、それは、最近の我が部のキャプテンの振る舞い、および生活態度について議論すべきだと思うからです」

 香織はそう言うと優香の顔を睨み付けた。

「みんなも知っている通り、ここ数日の彼女の態度はひどいものです。何日も無断で練習をさぼり、そのくせ理由を説明しもしません。また、恥ずかしげもなく下着が見えるほどの短いスカートをはいてきて、クラスの、いや学校中の男子を汚らわしく誘惑しています。下着を見られて恥ずかしがるどころか、かえってそれを喜んでいるしまつなんです。こんな人が私たちのキャプテンでいいのでしょうか? こんな恥知らずな女がキャプテンだなんて他の学校に知れたら、部の名誉と伝統は丸潰れ、部員の私たちまで同類扱いされてしまうでしょう…」

 香織はここで一息つき、優香の方を見た。優香は部員の視線をさけるように顔を伏せていた。

 それを見た香織はにやっと笑った。そして再び口を開いた。

「よって私はここで提案します。田辺さんのキャプテン退任を。また、部の名誉と評判を著しく傷つけた罰として、今後彼女に新入部員以下として、0からやり直してもらうことを」

 香織の思いがけない提案に、部員たちはしばらくのあいだ黙って何とも答えなかった。が、やがて三年女子の一人が言った。

「賛成です。たしかにここ最近のキャプテンの態度は目に余るものがあります」

 すると続いて別の三年部員が言った。

「私も賛成です。こんな人がキャプテンだなんて、私恥ずかしくて耐えられません」

 そして次々に他の三年部員たちが賛成の意を表わすと、やがてこれまで遠慮して黙っていた下級生までが賛成の声を上げだした。

「賛成です。だって最近うちの部のことクラスの男子が、変態テニス部って呼んでるんですよ」
「こんなパンツ丸出しの恥さらしなキャプテンの命令なんて聞けません」
「一年生だってこんな人と一緒にされたらかわいそうだから、副キャプテンの言うように一年生以下としての活動でいいと思います」

 その後も活発な議論が交わされた。最近の優香の練習態度やさぼり癖について。また特に彼女の服装、今もパンツ丸出しで座っている、その男に媚びるような短いスカートについて。優香はそれらをうつむいて聞きながら、部員たちの軽蔑の視線が絶えず自分に向けられるのを感じた。

 やがて結論が出た。満場一致の多数決で、優香のキャプテンの地位剥奪、および部員に迷惑をかけた償いとして、明日から部活中は0年生として活動することに決定した。

「では最後に、優香、挨拶しなさい。それからみんなに迷惑かけたことのお詫びを」

 香織は優香を部員たちの前に立たせ、用意してきた紙を渡した。

「さあ、これを読むのよ」
「え?」
「ほら早く! でないと昨日のことみんなにばらすよ」

 優香の顔が真っ青になった。唇がぶるぶる震えていた。が、香織に尻をつねられて、とうとう口を開いた。

「みなさん、私、田辺優香は、部のキャプテンであるにもかかわらず、練習を無断で何度も休み、また、下着丸出しの短いスカートをはいて町中にパンツを見せびらかし、恥ずかしげもなく快感に浸って、伝統ある女子テニス部の名誉と評判を著しく損ねてしまいました。よって、キャプテンを退任いたします。また、部およびみなさんの名誉を損ねてしまった償いとして、今後私は0年生として活動し、名誉の回復に努めてまいりますので、みなさんの厳しいご指導をお願いいたします。三年の先輩方の言うことはもちろん、二年、一年の先輩方の命令にもどんなことでも喜んで従います。みなさん、今まで生意気に命令や説教などしてすいませんでした。明日からはみなさんの指導のもと、部員として認められるよう努力していきます」

 その最後の方はもう涙で震え声になっていた。

 そして優香は香織にうながされ、部員全員に向かって土下座した。

 土下座をした優香のずり上がったスカートを、香織は腰までめくって、さらに突き出したお尻から白いパンティーを下ろして尻丸出しの状態にした。

 そして次に逆向きに部員たちにお尻を向けて土下座させ、これからの決意表明とばかり、そのむき出しの優香の尻を手で思い切り叩いた。

「痛い! お願い、香織…許して」

 ぴしゃ!

「先輩のあたしになにタメ口使ってんのよ。全然反省してないようね。厳しく教育してあげるから、覚悟しなさい」

 後輩へのしつけと称してそれから香織はまた何発も優香の尻を叩き続けた。

「ごめんなさい、香織、許してください」
「香織、じゃないだろ!」
「許してください、香織…先輩」

 優香はもうまるで子供のように泣きわめいて謝り続けた。

 それでこの日のミーティングは解散となった。

カテゴリ:優香

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