羞人たち


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優香 第五章 7
2009/08/24 06:30

 優香は裸のまま更衣室にしゃがみ込んでいた。今はまだ休み時間中なのだ。先程教室から来たときとは訳が違う。廊下に違うクラスの生徒たちがたくさん出ている。そんな中を、こんな裸の姿で通っていくなんて、出来る訳がない。優香は泣きながら時間の過ぎ去るのを待った。

 授業開始のベルが鳴った。慎重を期してもう一分待ってから、優香は決心して立ち上がった。バスタオル一枚ない、濡れた裸のまま外に出て、ひっそり静まり返った廊下を先程同様腰を屈めて進んでいった。


――――――――――――――――――――――――


 何とか誰からも見られず(そう優香は思った)教室にたどり着くことができた。「遅くなってすみません」と言って中に入ると中年の女教師岡野が叫んだ。

「田辺さん! あなた、どうしたの!」

 優香は事情を説明した。岡野は何か汚いものでも見るように優香のびっしょりになった体をじろじろ見つめている。

「……ですから、そういう訳で、遅れてしまったんです。すみませんでした」 と事情を説明し終えると優香は自分の席に着こうとした。一刻も早く体を拭いて制服に着替えたかった。

 だが、この岡野と言う女教師は、今年で四十になるがまだ独身で、そのことで日頃から生徒たちに馬鹿にされていると思い込んでいて、だから若い女、特に短いスカートを穿いて若さを見せびらかしている、学校の女子生徒たちに激しい怒りと嫉妬を抱いていた。

 だから岡野は席に着こうとする優香を呼び止めると、冷たく言った。

「田辺さん、ちょっと待ちなさい。そんなこと遅れた理由にならないわ。あなたは来ようと思えば時間通りに来れたわけであって、それなのに『故意に』更衣室でぐずぐずしていて、わざと授業に遅刻したんだわ」
「いえ、違います。故意に、なんてことは……」
「いいえ、少しくらい遅れても大丈夫だろうと、あなたは私を馬鹿にしているんだわ!」
「いえ馬鹿になんてしていません」
「いいえ頭ではそう考えていなくても心の中ではきっとそういうふうに思ってるんだわ!」

 心の中では、などと言われると優香は何も言うことができなかった。

「ほらね、そうやって黙ってるのを見ると当たっていたようね」そう言うと岡野は優香のピチピチした若い裸を冷たく眺め回した。

「それにわざと遅れて教師である私を馬鹿にしたうえ、そのいやらしい裸を私に見せつけてやろうと思ったんだわ!」
「いえ、そんなこと……」
「お黙り!」と岡野はヒステリックな声を出して叫んだ。「あなたは近頃調子に乗っているようね。成績がいいからといって、教師を馬鹿にしているんだわ。少し罰を与えないとやがて社会に出て苦労することになるわね」

 そう言ってにやりと笑うと、岡野はこう言い放った。

「罰として廊下に立ってなさい。私がいいと言うまで」

 優香は自分の耳を疑った。

「え? あの……着替えてから……ですよね?」
「あなた何を言ってるの? そのままの格好でに決まっているじゃない! もう休み時間はとっくに終わったのよ。今は着替えをする時間じゃないわ! いやらしい裸のまま、廊下に出て立ってなさい!」
「そ、そんな……」
「あ、あともう必要なくなったんだから、その借りた水着も返してあげなさい。」
「それだけはイヤッ……それだけは、お願いです、許してください」
「だめよ、もう水泳の時間は終わったのよ。早くしなさい。これ以上授業の邪魔をするようなら、田崎先生に来てもらってもっときつく罰してもらうわ」

 岡野と体育の田崎とは、何やらいい関係にあるらしいという噂があった。それを聞いた優香は、これは本気だ、もし田崎が来たら、もっと恥ずかしい罰を受けないといけなくなるに違いない、と恐怖で一杯になった。

「校庭を走らされるかもしれないよ」と男子の一人が叫んだ。
「お、いいな、全裸ランニングだ!」と別の男子が続いて言った。
「さあ早く! どうするの? もう田崎先生を呼んできますよ」

 そして岡野は教室を出て本当に呼びに行きそうなそぶりを見せた。震え上がった優香は慌てて呼び止めた。

「待ってください! やります。岡野先生のおっしゃった罰を受けますから、行かないでください!」
「じゃあ早く」と教壇に戻って来て岡野は言った。「脱ぎなさい」

 優香は、もうやるしかないと諦めた。教壇の横、クラスのみんなが見ている前で、水着を脱いで全裸にならなければならないのだ。優香はみんなから背を向けて黒板の方を向いて脱ごうとした。だが岡野がまたヒステリックに叫んだ。

「だめ! ちゃんと前を向きなさい!」

 優香は言われた通りにした。そして片手で股間を隠しながら、もう一方の手で海パンを脱ぎ始めた。

「おお! ストリップだ。学校でストリップが始まったぜ!」
「いよいよ優香ちゃんのおま……いや、あれが見れるぞ!」

(もうお嫁にいけない……)

 まだ男性とキスしたことさえない、学年一の優等生、ついに優香は生まれたままの姿をクラス全員に晒さなくてはならなくなった。
「お、いま毛が見えたぞ。優香ちゃん、きちんと処理しなきゃダメだよ」

 特に濃いわけではない、むしろ優香の毛は薄い方だったが、現在の動揺した状況ではすべて隠すなどという器用なことは出来なかった。優香は赤面し、涙を堪えながら、海パンを足から抜き取り……ついにクラスメートの前で全裸になった。

「脱いだー! ついに全裸になった!」
「おい、手を離せよ。大事なところが見えないじゃないかよ」
「最ッ低! 学校で全裸になるなんて」
「そこまでして男子の注目浴びたいのかしらね」

 優香は脱いだ水着を両手に股間を隠して立っていた。まだ乾いていない水着からか、それとも毛からか、水が床に滴った。

「隠すんじゃない! それに人の水着であんたの汚いところ押さえないの! 気をつけをしなさい!」

 俯きながら、優香は股間から水着を離すと、言われた通り気をつけの姿勢になった。うっすらとした、まだ濡れたままの優香の陰毛。縮れて、股間に張り付き、水が滴っている。

「おいおい、おもらししてんぞ」
「いや快感で濡れちまったんじゃないのか、へへへ」

「じゃあ田辺さん、小林くんのところへ行って返してきなさい。ちゃんと頭を下げてお礼を言うのよ」

 優香は手を横にした、股間剥き出しの状態のままで、恐る恐る小林のいる一番後ろの席へ向かって歩き出した。机と机の間の狭い通路をゆっくりと、白い大きなお尻を振りながら。中には机から身を乗り出して下から覗き込もうとする男子もいた。

 小林の前に着くと優香は震えがちな声で言った。

「小林くん、どうもありがとうございました」

 そして両手を横に、気をつけをしたまま頭を下げた。

「もっと深く!」と教壇から岡野の声。「90度に体を曲げなさい。社会人の常識よ」

 優香は言われた通り90度に腰を曲げて、小林に向かって頭を下げたが、そうなると当然お尻は突き出されるわけで、クラス全員が優香の突き出されたお尻を見ることになった。特に近くの席の者は1メートルも離れない距離で、軽く開かれたお尻の穴、そしてわすがに覗くあそこまで、はっきりと目にすることができるのだった。

「見えた、見えたよ、田辺のあそこ!」
「この穴に今まで何人の男が入れたんだろうな?」
「優香ちゃんってたしかまだバージンだったはずよ」
「え? ホントか! まだ田辺って処女だったのか」
「でも実はもうヤッてるんじゃないかしらね? 口では何だか優等生ぶったこと言ってるようだけど、きっともう何十人とヤッてるのよ」

 もうプライバシーも何もあったものではなかった。誰ももう人間並みの、いや少なくとも普通の人間並みの扱いをしてくれなかった。みんなが自分を変態女のように扱う。

カテゴリ:優香

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