羞人たち


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優香 第七章 4
2009/10/25 03:55

 いまや裸同然の姿になった優香。薄いティッシュペーパーのワンピースだけの、あられもない格好。胸のところは一部が破れて、乳首まる見え(それを隠すことを厳重に禁じられ)、またお尻は裾が腰まで裂けて、歩くと割れ目まですっかり見えた。股間も、薄いティッシュペーパー越しに、お〇んこが、その生々しい毛の剃り跡まで、はっきり透けて見えていた。

 風が、強く吹いているわけでもないのに、軽いスカートをひるがえす。もちろん手で押さえることは固く禁止されている。そのたびに、近くにいる人間には、優香の女性器(いやらしい! 人間のクズ!)がまる見えになるのだった。

 そんな優香をよそに、コートでは試合が始まりだした。一時間経ち、二時間経って、次々に、部員や他校の選手たちの試合が始まっては終わっていく。

 やがて会場のアナウンスが優香の名を呼んだ。優香はとうとうこのときが来たのだと、絶望的な思いをしてラケットを持った。

「さあ、いよいよあんたの試合よ」と香織が言った。「一回戦で負けたりなんかしたら承知しないからね。我がテニス部の人間ともあろう者が、こんなところで負けるなんて……そんなことになったらもっと恥ずかしい目に合わせてやるから!」

 コートへ行くと途端に会場がざわつき出した。

「なにあの子のウェア!」
「透け透けじゃない!」
「いいのあんなの着て? 違反じゃないの!」
「最低ね!」

 対戦相手の女子生徒は、優香を憎らしげに睨みつけた。そして優香が試合前の握手をしようと手を差し出すと、それを無視して言った。

「汚らわしい! あんたの手なんか触りたくないよ!」

 かくして試合は始まった。

 相手は一年生の、明らかに格下の選手だった。だが、この数ヶ月ろくにラケットを握らしてもらってない優香は自らのミスで次々にポイントを取られた。また、今日のこのウェア、ティッシュのワンピースが破れるのを恐れるあまり、動きも鈍りがちだった。

 6ゲームマッチのうちの4ゲームを、こうしてあっさりと相手に取られてしまった。

「あんたなに手を抜いてんの!」フェンス際にスマッシュされたボールを拾いにきたとき、香織が冷たく言った。「負けたらどうなるかわかってるんでしょうね? 負けたら、斎藤くんに合宿中のビデオ見せるよ。全裸で過ごした一週間のすべてを。駐車場でおしっこしたとこや、食堂で中学生の靴舐めたとことか、あと夜コンビニに……」
「いやっ!」優香にとってそれは思い出したくない記憶だった。「やめてください、それだけは……絶対に……」
「だったら本気を出すことね。勝つしか他に道はないよ」

 優香は考えた。斎藤に、あの悪夢の合宿中の自分の姿を見せるなんて、死んでも避けたいことだった。それを回避するためだったら、今のこの格好を恥ずかしがっている場合ではなかった。なんとしても、勝たなくてはならない……

 次は優香のサーブゲームだった。優香はそれまでの遠慮がちなサーブを止めて、服が破れるのも構わず思い切りラケットを振り下ろした。

 ビリッ!

 体を逸らしたため胸の裂け目が大きく広がった。そのため乳首だけでなく、右の乳房全体が、裂け目からまるまるこぼれでた。

(いやっ!)

 しかし恥ずかしがっている暇はなかった。何とか打ち返すことのできた相手のレシーブが、ふらふらと、ネット際に飛んできたからだった。

 優香はこぼれでた胸がぷるぷる揺れるのも構わず、ネット際に猛ダッシュした。そして追い付くと空中に浮かんでいるボールを思い切り相手コートに叩きつけた。相手のミス以外で、これが初めての得点だった。

(やった……)

 しかし得点の代償は大きかった。優香はふと気付いて下を見ると、自分の胸が、まるごと飛び出してしまっているのだった。それはもはや直すこともできないほど大きな裂け目だった。

「いやっぁぁ!」

 優香は飛び出した自分の胸を隠してしゃがみ込んでしまった。そしてそのまましばらく立ち上がれなかった。相手選手が、やがてすかさず抗議した。

「早く次のサーブを打ってください! 審判! これは遅延行為じゃないですか?」

 審判をしていた女子生徒はそれを受けて言った。

「早くサーブラインに付いてください! でないと、相手のポイントになりますよ」

 それでも優香は立ち上がろうとしなかった。

「それでは遅延行為と見做します。フィフティーン・オール!」

 しかしそれでも優香は動こうとしなかった。

「フィフティーン・サーティー!」

 動かない優香。

「フィフティーン・フォーティ!」

 そして……

「ゲーム!」

 ついに0対5と追い詰められてしまった。

 優香は手で胸を隠しつつ、コートチェンジのためようやく立ち上がった。

カテゴリ:優香

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